Home > Archives: June 2006

アーカイブ: 2006/06

満州引き揚げ60周年に観る中共の図々しさ


拙エントリー”山西残留兵問題と中共の狡猾さ”でも述べたことがあるのだが,中共は非常に数少ない日本への配慮をお仕着せがましく宣伝することがある.
今回,以下のニュースソースに触れたとき,またその違和感を感じたので少し採り上げてみたい.

「日本人100万人大送還」60周年 葫芦島市で記念活動

「葫芦島在留日本人100万人大送還」60周年記念・中日関係展望フォーラムが25日、遼寧省葫芦島市で開幕した。中国の唐家セン国務委員や日本の村山富市元首相らが開幕式に出席した。
唐国務委員は「歴史を鑑(かがみ)として未来へ向かい、世々代々の中日友好の推進に努める」との題でスピーチを行った。 フォーラムは遼寧省政府、葫芦島市政府、中国人民対外友好協会、日中友好協会などの共催、約500人が両国から出席した。元在留日本人やその家族もフォーラムのために訪中した。
開幕式には、遼寧省の張文岳省長、対外友好協会の陳昊蘇会長も出席した。 1946年から1948年の間、中国の人民は人道主義の観点から、在留日本人105万人を葫芦島から本国に送還。このために、大量の労力や物資、資金が投じられたという。


村山元首相,この男が出席と聞いただけでこのフォーラムが真の友好ムードとは可成りかけ離れた中共マンセーモードを感じるのだが・・・まぁそれはさておき,
この「100万人大送還」は,終戦後,旧満州の在留日本人が1946年5月から1948年9月までの三年間に渡ってわが祖国に引き揚げた事柄を指す(葫蘆島からの帰還、105万人).
中共はこの引き揚げに際して,我が中国人民が多大なる援助,貢献をしたから達成できたのだとして,上のような式典を開いたというニュースである.この”中国の人民”という言い方がまたまた曲者だ.ご存じのように,1946年~1948年の支那大陸はまだ国民党政府が統治していた時代だ.当時,大陸では国共内戦が繰り広げられており,現政府である中国共産党が政権を獲って”中華人民共和国”が成立するのは1949年のことである.
実質的にも共産党が蒋介石の国民党を追い出したのは1948年の秋なので,この100万人の帰還に現政権である共産党はほぼ関わってないと観て良いだろう.
すなわち,本来なら「中国政府は人道主義の・・・」と書きたいところだが,それを誤魔化して広義の解釈が可能な「人民」に置き換えたものと考えられる.
確かに,あの時,未だ国民党が実権を握っていた葫芦島周辺(現,遼寧省葫芦島(ころとう)市)の人民に多大なる協力をいただいたことは事実である.が,旧ソ連の占領から逃れ満州南部まで来た在留日本人が実際に共産党のお世話になったのかどうかは疑わしいだろう.
筆者はこの辺りまでは調べてないので上のように記述したが,日本の敗戦によって戦後処理の責任を請け負っているのは飽くまで国民党政府であることやその国民党と実権を争っているのがあの毛沢東率いる共産党であることを考え合わせれば,邪魔することはあっても人道的な協力をしたとはとても思えない.
とくに,前者の戦後処理に関してはアメリカが国民党の後押しをして在留日本人の引き揚げを行わせたようなので,尚更,現中共政府に恩着せがましく言われる筋合いはない.
これはまさに”他人のものはオレのもの,オレのものはもちろんオレのもの”という,傲慢極まりない中華思想からくる図々しさが為せる技であろう.

本当に中共はこういった硬軟取り混ぜた対日戦略がお上手ですなぁ,と思うこの頃である.中共の狡賢さをよくご存じの方々は「そうかぁ,中共も良いところがあったんだなぁ」なんてことは努々(ゆめゆめ)思われないだろうことはよく分かっております.

# 参考にした他のURL: ”財団法人 自治体国際化協会,葫芦島市

出張のため,次の更新は日曜(7/2)以降になります.宜しくお願いいたします.



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

ダボス会議って世界商売人会議のことでしょ


メディアではあまり採り上げられることの少ない「ダボス会議」,「世界賢人会議」とも云われているそうですが,”賢人”は明らかに誉め過ぎだと思いますね.
この会議は”世界経済フォーラム”という団体が主催しているそうですが,そのアジア版会議がこの6/15~16に東京で開催されました.

アジア版ダボス会議が東京で開幕
政財界、学者などが非公式に多角的な意見交換をする「ダボス会議」で知られる世界経済フォーラムの東アジア会議が15日、東京・芝公園の東京プリンスホテルパークタワーで開幕した。
日本での開催は初めてで、世界27カ国のリーダー300人が参加。中国、インドの発展など著しく変化する東アジア経済の課題などを2日間にわたって議論する。会議は7人の共同議長を中心に進行。
日本からも北城恪太郎・経済同友会代表幹事、中村邦夫・松下電器産業社長、氏家純一・野村ホールディングス会長の3人が共同議長をつとめる。

あの北城氏が議長で,舞台が東アジアってことはそこはかとなく内容が・・・漂ってきますね.
やっぱりそうでした.以下,ウオッチ対象のNET EYE プロの視点清水真人 編集委員の評論からネチッと感想でも述べてみます.



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

続きを読む>>

ミスクっぽい雑感


今日は取り立てて書きたいことはないので,時事ニュースの短評と未だ頭でこんがらがっている事柄について少し述べてみます.

@ 安倍官房長官の統一協会祝電問題

一言で云って残念です.かなり前から2ちゃん辺りでは何でも宗教右翼にしたがるサヨクどもがこのことやパチンコ献金等を叩いてましたが,余り気にしてませんでした.まぁこれは安倍総理が現実のものになってきたので工作活動の一環ってのもあるのでしょうが,実際に安倍サイドが認めてしまっている以上,統一協会との関係を全て話し,清算すべきかと思います.とくに,もし資金供与などがあったのなら,今回の総裁選からは身を引くべきです.
筆者の知り合いにも関係団体の原理研関係者がいました(今は行方知らずです).彼らは何時も睡眠不足で,目が虚ろなのですぐに分かります.何故か?と聞いたところ,24時間,一定時間ごとに神さまにお祈りをするからだと答えていました.つまり眠る時間がないのです.彼らは集団生活をしていましたから,休息を与えないで周囲環境から隔絶し,教義を吹き込み,それを強制するという典型的な洗脳ですね.とんでもないカルト宗教です.
戦後,保守勢力が完全に衰退していた時期に反共という美味しい餌で保守政治家を取り込んで基盤を作られてしまったことは重ね重ね残念なことであります.今,この邪悪なカルトは日本では世界日報を使って表向きは相も変わらず保守が喜ぶことを書いているようですが,自国では全く逆なことを書いているそうですね.そして何よりも恐いことは北朝鮮との親密ぶりです.対北強硬派?の安倍氏にとっては,ここが一番の叩かれどころでしょう.
筆者は安倍氏が幹事長になったとき,官房長官になったとき,いずれも小泉総理の尻を叩いてくれるものと信じていました.そして,小泉総理のやり方がおかしいと感じたときには職を辞してでも意地を通してくれるものと思っていました.しかし,実際は見ての通り・・・.
拉致問題に関しては確かに表だった動きでは無いにしろ,様々な策をやってくれたことを知っていますが,やはり肝心の決意が見えてこなくなったのが,筆者の信用を落としていった最大の原因です.とは云っても,未だ微かな望みを掛けている自分がいることは否定できませんが.
いずれにしても,安倍氏にはこの問題に対する明確なる釈明をする義務があります.工作活動だからだけでは済みません.
ところで,じゃ次期総理には一体誰がいいのか?という問いに筆者は明確に答えることが出来なくなっています.こと統一協会絡みでは,日本の保守政治家はほとんど,程度の差こそあれ関係があるようです.現職国会議員128人の「勝共連合・統一教会」関係度リスト(『週刊現代』 99.2.27号から)というのを見ると,真偽は別として,あの麻生現外相や中川現農相まで入っているではないですか.勿論,こんなのは嘘っぱちと誰かが証明してくれるのならいいですが,現時点では候補の中で,一番汚染度の低い方を推すしかないようですね.
何が一番腹が立つって,それはここぞとばかりに宗教右翼攻撃をするサヨクの嬉しそうな煽りっぷりですよ,まったく.因みに筆者ですが,日本の伝統的神道に基づく思想までもを宗教右翼と呼ぶのなら,私は宗教右翼で結構で御座います.

@ 作る会騒動

前にてっくさんのサイトで少しコメントしたのですが,はっきり云って興味がありません.これも上の問題と同じで,サヨクどもに叩くネタを与えているだけでしょう.ののしり合いや議論のための議論は無駄なことです.本来の正しい教科書作りに専念してくれって思っているだけです.とは云っても,書く以上はほんの少しだけ.
最初,根っこのところは小林よしのり氏に観ることが出来るような,反米保守VS親米保守の内紛なのかな?と思っていましたが,最近は何やら日本・神社系右翼と朝鮮・統一協会系右翼?との戦いの様相が出てきたようですね.これは上の祝電問題とも絡みますが,つくる会の新会長に元参議の小林氏がなったことが発端になっているようです(それと新理事に桜井裕子氏がなったことも?).このお二人とも(とくに小林氏は),桜チャンネルによく出演されている方ですし,いつも真っ当なことを仰っていますが,統一協会との関係が取り沙汰されていることから疑われているようです.ふぅむ,それ以上は何とも語れません.
今,筆者が云えることは次のことです.
西尾氏は思想家として大変優れた方で功績もある方です.何よりも,小泉総理の欺瞞をいち早く見抜いて少々エキセントリックでしたが,それを糾弾していたことは記憶に新しく,そのお気持ちがよく理解できました.はっきり云って好きな方です.ですが,そのエキセントリックさが氏の価値を必要以上に低めてしまっているように思います,つまり政治的活動には失礼ながら向いてないようです.西尾氏は本来の思想活動に専念される方が宜しいかと思います.
そして八木氏ですが,凡ミスが多すぎます.昨年の報道2001での醜態は何ですか.たかが男らしさとは?女らしさとは?程度のブサヨの誘導尋問に引っ掛かってしまって答えに詰まるとは・・・もっと議論に長けていかないとアホどもに足下すくわれるのが目にみえています(もうすくわれてしまったわけですが・・・).それと皇室関係でのチョンボもありますが,多くは語りません.とにかく,甘さを排し,良い意味での狡猾さも持たないと荒波のような思想論壇では勝ち抜いていけません.
まぁ,どっちもどっちってところですね.また新田氏についてはウオッチしていませんので,今のところ何とも言いようがありません.

参考:”The Perfect Blog ”さん,例えば「[政策・思想]つくる会内紛――「上からの演繹」は、フェミニズムカルトの常套手段。」とか



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

続きを読む>>

靖国さんと呼べるものは靖国神社だけで結構です


あの古賀がまたぞろ,ヘンテコなことを言い始めているようです.以下のニュースは「山崎派、新追悼施設を提言 総裁選へ向け」と連携した総裁戦用の靖国問題対策の一環でしょう.
「靖国」国家護持を…自民・古賀氏が主張

自民党の古賀誠・元幹事長(日本遺族会会長)は21日、党本部での中堅・若手議員の会合で講演し、靖国神社参拝問題に関連し、「誰もがわだかまりなく参拝できるよう、遺族会としてもう一度、『国家護持』という大きな旗を掲げたい」と述べ、靖国神社の国家管理化などを検討すべきだとの考えを示した。
 古賀氏は靖国神社からのA級戦犯分祀(ぶんし)を提唱している。

いい加減,分け御霊など出来ないことと踏んだ古賀が飽きもせずに考え出した愚策だと思いますね.国家護持と体裁の良い言葉で飾ってますが,本質は靖国神社を政府がコントロールして宗教色を廃し,いわゆるA級戦犯を霊璽簿から消し去ろうとする魂胆は見え見えです.命名は中共にでも頼んで,「靖国的国家追悼施設」とでもしましょうか,なんてことまで話し合ったりしてるかもです.
この男は自身のHPでも,つい最近出した政策提言にハッキリと以下のように述べています.
外国人も含めより多くの人々が、わが祖国に殉じた英霊に参拝されようにするには、戦没者ではない一部の英霊を分祀することも検討の対象となろう。

「外国人も含め」って,すでに戦後多くの外国人が多数参拝されてますが・・・”貴方の仰る外国人って”何処のどんな身分のお方ですか?
また,「戦没者ではない一部の英霊」という表現ですが,いわゆるA級戦犯の方々は形式上,法務死亡者ということになってはいます.しかしながら,例えば麻生氏などは講和条約(サンフランシスコ講和条約(1952年))が結ばれるまでは継続した戦争状態にあるとの見解を示されています.これに従うならば,講和条約前に連合国によって処刑された方々も立派な戦没者になるわけです.遺族会の会長で「我が祖国に殉じた英霊」と表現されるような方が,上記の見解を知らないはずもなく,かつその見解に与しないとは納得いきません.
特ア病に罹ると,やはり論理的な思考が出来なくなるのでしょう.



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

続きを読む>>

八方塞がりの北朝鮮・・かな?


断言は出来ないが,おそらく北は打てない(発射しない)と思う.
前エントリーでも述べたように,テポ2の燃料は多分,(ヒドラジン誘導体+四酸化二窒素)系液体燃料.燃料注入が正真正銘,本当のことなら耐腐食性タンクに対する北の技術レベルから考えて精々1週間以内(1ヶ月保つという情報もあるし,抜き取りだって可能だが・・・)に試射せざるを得ないが,どうもアメリカさんの言うことからは”焚きつけ”のにおいがプンプンする.アメリカ政府筋から(燃料注入を)断定したとの情報がない以上,危機を煽って北の動きを封じていると考えた方がよいと思う.
ヒル国務次官補が公に燃料注入を認めたとの以下のニュースもよく読めば,「燃料を注入する作業に入っているように見える」で,結局はあやふやだ.
テポドンに燃料注入、ヒル米国務次官補が言及  

【ワシントン=坂元隆】北朝鮮核問題をめぐる6か国協議の米首席代表をつとめるクリストファー・ヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は20日、米公共放送「NPR」のラジオ番組に出演し、北朝鮮が「テポドン2号」とみられる長距離弾道ミサイルに「燃料を注入する作業に入っているように見える」と述べた。
 米政府高官がミサイルへの燃料注入を公に認めたのは初めて。しかし、注入が完了したかどうかについては言及しなかった。  
一方、ハドリー国家安全保障担当大統領補佐官は、北朝鮮が「(ミサイル)打ち上げの方向に向かっているようだ」としながらも、「現時点では情報はまだ最終的なものではない」と述べた。

ヒルさん,公に認めたわけではないでしょう,見えるって公に言っただけ.この原文らしきものをググってみたのだが,「北はミサイルテストを予定しているように見える」って書いてあった(インタビューもストリームで聞けるが筆者のヒアリング能力でははっきりと分からない・・すいません).
U.S. Negotiator Weighs In on N. Korea Missile Plan

Steve Inskeep talks to the lead U.S. negotiator in the six-party talks on North Korea's nuclear program. Christopher Hill is the assistant secretary of state for East Asia.
North Korea appears to be planning a test of a long-range ballistic missile.

私見だが,筆者が論文を書くときにappear to be ~ や seems to be ~ の表現を用いる場合は飽くまで感想の域を出ない,断定の自身がない時に使う表現としている.偵察衛星の精度にもよるが,今の技術ならもっと確度の高い情報を得ているのではないか?



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

続きを読む>>

恐いのは弾頭より燃料かも?


ここの所,本業に精を出していましたんで周辺ニュースに疎くなってますが,それにしても北は本気なのでしょうかね?
今更,アメリカが譲歩することなどあり得ないと思うんですが,馬鹿というかナナメ上というか,本当に将軍様が実権握ってるのかさえ分からない状況ですね.今回の場合,ほぼ一月前から状況がモニタリングされているし,テポ1(1998年)時の準備段階とも酷似しているそうなので打つ可能性は結構高いと,筆者は勝手に観ていますが果たしてどうなるでしょう.燃料の注入が完了したのでは?という以下のニュースソースが本当だとするともう打つしかないでしょうね.
テポドン燃料注入完了か 発射間近の可能性

【ワシントン18日共同】ロイター通信によると、複数の米政府当局者は18日、北朝鮮が発射準備を進めている長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の燃料注入を完了したとみられると語った。
発射が間近に迫っている可能性が高まったとしている。当局者は、燃料注入後の抜き取り作業は難しいため、発射取りやめの可能性は小さいと述べた。 
米政府当局者は、偵察衛星写真などを基に分析した。 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は18日、衛星写真はミサイルの発射台にブースターが取り付けられ、燃料タンクがミサイルに据え付けられている様子をとらえていると伝えた。

このニュースの元記事は以下のロイターニュース.
WASHINGTON (Reuters) - North Korea is believed to have completed fueling a missile capable of reaching Alaska, raising the probability of an imminent test launch, U.S. officials said on Sunday.
The United States plans to join Japan in a sharp response if the test goes ahead. Washington has warned Pyongyang against the launch in a message passed to North Korean diplomats at the United Nations but there was no response, American officials told Reuters.
The officials, speaking on condition of anonymity, said Pyongyang could still decide to scrap the launch, but that was unlikely given the complexity of siphoning fuel back out of a missile prepared for launch.

液体燃料のヒドラジン(若しくは非対称ジメチルヒドラジン)は非酸化状態さえ守っていればそんなに不安定なものでは無いものの,注入しちゃったら再び戻すのはめんどくさいので,あの北なら打つ可能性は高いですね(空気に触れないようにするのが結構難しいのかも).しかし,実際に注入したという確証でもあるのかな.
まぁなるべく本物っぽく演出するのなら,空タンクから注入しているフリをすればいいだけですからね.アメリカの軍事衛星に積まれた解析機器はどの位の分解能があるのでしょうか.以前に,家の中にあるカレンダーの文字まではっきり分かるって聞いたことありますが,これが本当ならば,今ならさしずめ映っている物質のスペクトル解析まで出来たりして(トリコーダーみたいに)・・・これは冗談ですが.



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

続きを読む>>

靖国イケン教とジェンダー教を揶揄してみる


筆者は靖国イケン(違憲)論やジェンダー推進論を宗教だと思っています.それもどっかの団体と同じようなカルト臭漂う危険な宗教だと思っています.
宗教の定義を観てみると,以下の三つが簡単に見つかりました.上から順に”はてな”,”大辞林 第二版”そして”ウィキペディア”です.
宗教学者、岸本英夫による定義「宗教とは、人間生活の究極的意味を明らかにし、人間問題の究極的解決に関わると人々によって信じられている営みを中心とした文化現象であり、その営みとの関連において神観念や神聖感を伴う場合が多い」
〔religion〕 経験的・合理的に理解し制御することのできないような現象や存在に対し、積極的な意味と価値を与えようとする信念・行動・制度の体系。
宗教(しゅうきょう)は一般に、神・超越的存在・聖なるものなどについての信念や信仰、信念や信仰と結びついた個人の態度(超越的なものとの関係)・活動(礼拝など)・制度(寺社、教会など)信者の形成する社会などを表す。

宗教に対する定義や解釈はまぁ色々とあるようですので,上記を参考に共通する通念を捜すと,”信仰”,”教義”,”その対象”の三つを挙げれば多くの場合,納得できる定義となるのではないでしょうか.ここで,これらの対象を定義する場合,上記によると,”神”,”超越的存在”,”聖なるもの”,”経験的・合理的に理解し制御することの出来ない現象や存在”がそれに該当します.この中で最も抽象的な表現がより広義性を与えると考えれば,4つ目の”経験的・合理的に理解し制御することの出来ない現象や存在”が妥当な信仰や教義の対象物と言えそうです.

これらをそれぞれ靖国イケン(違憲)論とジェンダー推進論に当てはめますと以下のようになります.

⇒ 靖国イケン(違憲)論

・信仰: 靖国イケン(違憲)論
・教義: 憲法第20条
・対象: 政教分離

⇒ ジェンダー推進論

・信仰: ジェンダー推進論
・教義: 男女共同参画社会基本法
・対象: 男女同権

そして,それぞれを信仰する個人・団体を信者と呼びます.ところで,”政教分離”や”男女同権”がどうして?”経験的・合理的に理解し制御することの出来ない現象や存在”になるのでしょう.普通に考えれば,これらは経験的・合理的に理解・制御できるものに見えます.しかし,信者は違います.信者が信者たる所以はこの二つを勝手に都合良く拡大解釈するところにあります.信者でないものは,これらを日本国に住む人間としての過去の経験(歴史)や伝統・文化を通じて極めて常識的に判断しますが,信者はそれを否定し,勝手に新しい概念(拡大解釈)を創生します.勿論,これは相対的なものですから,彼らから観たら極めて合理的なものだと言うでしょう.
それに反して,筆者や多くの保守の方々はこれを日本人として経験的,合理的に観て理解・制御できないものと判断しますので,こちら側からはやはり信仰対象(宗教)としか思えないわけです.そして,これらの信者は日本の伝統・文化を否定し,破壊さえ行おうとする共通した習性があり,価値観の多様性と称して日本人としての極めて常識的な判断を奪ってゆきます.その共通動機には唯物論思想や他国の新合理主義があり,靖国イケン(違憲)教には中・韓への自虐的隷属性も加わります.
保守の人間から観たら,非常に危険なカルト宗教だと思うわけです.



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

続きを読む>>

続・北朝鮮人権法案を再考する


先程,出張から戻りました.東京だったものですから,学会を少し?サボって靖国参拝し,遊就館にも行ってきました.次は是非とも,昇殿参拝したいですね.

皆様,そしてうさぎさん,コメント有り難う御座いました.個別にレスできなくて申し訳ないです.うさぎさんのご意見を参考にして,ご批判は承知の上で敢えて肯定的な感想を書いてみたのですが現実は厳しいようです.皆さんのご意見は至極真っ当で,真摯に受け止めさせていただきます.反って,うさぎさんを批判の矢面に立たせてしまったようですね.申し訳ありませんでした.

さて,この法案は修正合意案のまま衆院を通過したようです.おそらくこのまま参院も通過してしまうでしょう.六条の脱北者定義は曖昧なままなので,その認定は政府側の裁量に大きく左右されるわけですから,やはり危険と云わざるを得ません.また今後,この条文を盾におかしな団体が暗躍する可能性が十二分にあります.それとエントリーには控えめに書きましたが,本来は7条がこの法案の肝ですから,ここに大きく裁量を付与するような条文は逆に制裁回避への担保が増えただけの感があり,何の意義も見出せないです.
この法案は飽くまで制裁実行のために言い方は悪いが,人権・人道を口実に制裁を与えようとするものでなければなりません.しかし現実はそれが生かされてないのが問題なのです.
脱北者や難民よりもまず第一に拉致被害者を優先するのが政治的判断です.日本は拉致という明確な国に対する敵対行為の被害国なのですから,政治的には北の難民の処遇を勘案する義務は無いと思います.それがあるのは,寧ろ韓国や中国です.彼らはその北朝鮮を援助した戦犯だからです.人道面,つまり道義的責任は生ずるでしょうが,だからといって,過度な支援は避けるべきであり,精々関連する経済支援で中・韓を助ける程度で良いのではないかと思います(日本に所縁のある北の人間には少し違った支援が必要になるでしょうが・・・).筆者がいつも述べさせていただいている「拉致を政治面よりも人道面を強調しすぎると見誤る」というのは以上の理由です.

継続炎上している件のブログでも,結局,曖昧な六条定義を誤魔化したまま過度な人権保護認識を変えようとしてません.それは以下の文言に顕れています.すなわち,六条を最大限に利用して全脱北者の過保護対策を実行しようと政府側に働きかけることは明白です.

そして、明日の参院拉致問題特別委員会において、共産党の反対質疑が行われた後、採決、成立する見込みです。
今朝の党部門会議でも、数名の議員から、同法案に対する多くの「批判メール」が寄せられている事実が発表されましたが、同法案第6条で「脱北者」の定義が「北朝鮮を脱出した者であって、人道的見地から保護および支援が必要であると認められるものをいう」とその認定は政府に委ねられている点を再確認し、政府の裁量(つまり、脱北者受け入れの蛇口の開閉については、あくまで政府が慎重に検討した上で決定する)についての説明が改めてなされ、松原報告を了とすることとなりました。


また,名無しさんよりいただいたコメントにありました自民党の葉梨康弘氏のコラムの方が民主批判というマイナス面を除いても説得力があるように思います.ただし,7条が元々自民案に厳然と存在した以上,同じ穴の狢であることに変わりありませんが・・・

当初,コメント欄に書き込むつもりでしたが,長くなってしまいましたので本日のエントリーとしました.

うさぎさん,結果的に以上の理由で筆者もこの法案に反対せざるを得ません.すでに成立間近なので意味はありませんが.
うさぎさんの仰ることは拉致を人道面として捉えた場合,正しいと思います.しかしながら,これは優先順位の問題であって,本来日本政府としては政治面を表にもってくるべきだと思うわけです.それが為されてない本法案はやはり何かを履き違えているとしか思えません.この法案が施行されたところで,制裁への強い動機付けにはおそらくならないと思います.
この辺りをうさぎさんにはご理解いただきたいと存じます.
今後とも,ご意見をいただけましたら幸いです.



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

北朝鮮人権法案を再考する


6/10付けの拙エントリー(また一つ懸念される合意が・・・)に”うさぎ”さんと云う方から大変丁寧なコメントを頂戴致しました.誤解の無いように最初に申し添えますが,うさぎさんは誰よりも金正日とその独裁政権を憎み,一刻も早く拉致被害者を奪還することを願っておられる方です.また,狭隘で中途半端な人道主義に酔っておられる方でもありません.
うさぎさんのコメントを以下に一部引用させていただきます(コメント全文はここでお読み下さい).

保守の人は、「北朝鮮人権法」についての誤解があるようですね。
民主党安(案の間違いかと:筆者改変)を丸呑みにしたものではありません。私は元々、ポーズに過ぎない自民党案には反対でした。民主党案のほうが良かったです。
なぜ、北朝鮮による公式の拉致被害者が一人もいない米国で全会一致で「北朝鮮人権法」が何年も前に成立したのか。そこから、考えてください。
北朝鮮人権法 http://dic.yahoo.co.jp/tribute/2004/11/20/1.html
これは、米国の北朝鮮への明確なる戦略であると共に普遍的権利である人権への取組です。だからこそ、自国民ではない日本人や韓国人拉致被害者へ言及しているのです。
北朝鮮からの脱北者が、日本へ大量難民として流入してくることを恐れている方もいるようですが、そういうことは現実問題として、この法案が作られたところで、起こり得ません。
現在、日本に入国している脱北者は帰国事業によって北朝鮮へわたった日本人妻の家族や元在日の人でしょう。元々、日本と縁のあった方もしくは日本国籍保持者だった人です。親の代からすべて北朝鮮で生まれて育った人は多分一人もいないでしょう。いわゆる北朝鮮人の脱北者はまず日本に来ない。
そういう人は、同じ民族で同じ言葉を話す韓国に行きます。現在の北朝鮮の状況で、一般人民が日本海を船で渡って日本へ大量難民として流入してくることは不可能です。
だからこそ、金さえ払えば出入りできる中朝国境から脱北してくるのです。
なぜ、「北朝鮮人権法」が必要なのか。
それは、拉致被害者救出とあの国の民主化を促進する一助とするためです。拉致問題は北朝鮮の金正日独裁人権弾圧政権が存在し続ける限り、決して解決しないのです。
あの政権を北朝鮮人民が自らの手で倒して民主化をしてくれれば一番いいのですが、それは可能性としてかなり低い。政権が倒れるのを待っていたら、年老いた拉致被害者の両親も拉致被害者本人も亡くなっていく。
時間との闘いです。一刻の猶予も許されないのです


2ちゃんねるでは”大量の朝鮮人難民が押し寄せてくる”との可成り穿った煽り方をしてますね.また,筆者もそうですが,いわゆる保守派の方々もこの法案にネガティブな感覚をもっているようです.さらに,件の長島議員のブログも炎上したエントリーに対する釈明・反論エントリーを上げたところ,前にも増した再炎上をしているようです(全コメントが読めない状態です,凄まじい!).これにはマスコミから流れる情報が少ないというのも一因になっているのかもしれません.
筆者は上記のことを配慮して前エントリーを述べたつもりでしたが,改めて観てみると,結構間違った認識で書いていることに気付きました.誤解を受けてもしょうがないかな?とも思える文脈で書いていました.本エントリーでは,少し反省を込めてその辺りのことをうさぎさんのコメントを観ながら述べてみたいと思います.
その結果を端的に述べれば,自・公・民案に賛成します.ただし,幾つかの条件があります.それがない限り,反対に転じます.
最初に,”大量の朝鮮人難民が押し寄せてくるはほぼ無いと言っていいでしょう.脱北者の脱出経路が殆ど中朝国境であること,それに介在するのが民間のNGOであることを考えれば,その地点から日本へ大量に流れてくることは極めて困難でしょう.日本へ直接,大量に流れるルートは海を船で渡ってくることですが,脱北者の置かれている状況からいって移民のように大きな船で来ることなど不可能です.(全くない無いとは言いませんが).体制が崩壊したら尚のこと,そのまま陸路で逃げることになるので,最初の流入先は中国か韓国になります.



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

続きを読む>>

また一つ懸念される合意が・・・


以前より拉致問題には政治面と人道面(人権面)があり,それは表裏一体であると述べてきました.そして二つ前のエントリーから,余りに人道面に囚われると,返って政治的に利用される懸念があるとも言ってきました.昨日,自公民三党合意に至った”北朝鮮人権法案”ですが,会期延長が無いことに焦った自民党がまたしても,懸念の大きい妥協を図るのではないかと心配しております(北朝鮮人権法案:脱北者支援を盛る 自公民3党が合意).
筆者は勿論,この法案の主目的(制裁の義務づけ)には大賛成です.しかし,それは自民党の提出した法案に対しての話であって,”脱北者支援法案”とも取られかねない民主党案に対してではありません.昨日の合意では,民主党の要求する「脱北者の保護と支援に必要な措置を講ずる」を盛り込むことで為されたとのことですが,自民党は安易な妥協をするべきではありませんでした.例えこれが流れたところで,すでに制裁二法案があるのですから粛々とそれを実行に移せばよいだけのことです.
この民主党案ですが,以下(骨子の抜粋)のように脱北者を一時保護のみならず,定住資格や生活支援まで与えようとする本来の目的から相当に逸脱した法案になっています.しかも,ご丁寧に北朝鮮への支援まで謳っています.
三 脱北者の定住資格等
1 脱北者であると認定された者について、条約難民に準じた扱いをすること。
※ 脱北者が北朝鮮に帰国すると迫害される可能性が極めて高いという現状を踏まえ、脱北者と認定された者については、個別の難民認定によらず、特例的に条約難民と同様に扱うこととしたものである。
2 原則として定住者としての在留資格を付与し、永住許可の要件を緩和する(独立生計維持能力の要件に適合しないときであっても永住を許可することができるものとする)こと。
3 脱北者のうち、本邦に在住していたことがある者(過去に日本国籍を有していた者及びその子に限る。以下「元本邦在住者」という。)から永住許可の申請があったときは、本邦に在住していた期間、北朝鮮に居住することとなった経緯等を勘案し、適切な配慮をすること。

四 脱北者に対する定住支援
1 脱北者であると認定された者の住居、職業、日本語教育等に関し必要な施策を講ずること。
2 国及び地方公共団体が1の施策を講ずるに当たっては、民間の団体と連携すること。

五 脱北者に対する支援を行う民間の団体との協力及びこれに対する支援脱北者に対する支援を行うに当たって民間の団体と協力するとともに、脱北者に対する支援を行う民間の団体の活動に係る安全の確保及びその活動の促進を図るため、情報の提供、財政上の措置等必要な施策を講ずること。



↑ご賛同頂けましたら,クリックをお願い致します

続きを読む>>

1/2 >>

Home > Archives: June 2006

Search
Truth of NANJING
映画「南京の真実」
Free Japan
国益最前線
Abductees Issue
一刻も早い奪還を!
China Free
中国製品不買運動
Patriot@MyTube
憂国系@MyTube
Jazzy@MyTube
ジャズ系MyTube
NANJING Recommend
マンガで読む昭和史「南京大虐殺」の真実
畠 奈津子
大館 亞津子 著(2007-12)
NANJING Recommend
NANJING Recommend
NANJING Recommend
Recent Trackbacks
Profile
Links

Page Top