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アーカイブ: 2006/06/28

満州引き揚げ60周年に観る中共の図々しさ


拙エントリー”山西残留兵問題と中共の狡猾さ”でも述べたことがあるのだが,中共は非常に数少ない日本への配慮をお仕着せがましく宣伝することがある.
今回,以下のニュースソースに触れたとき,またその違和感を感じたので少し採り上げてみたい.

「日本人100万人大送還」60周年 葫芦島市で記念活動

「葫芦島在留日本人100万人大送還」60周年記念・中日関係展望フォーラムが25日、遼寧省葫芦島市で開幕した。中国の唐家セン国務委員や日本の村山富市元首相らが開幕式に出席した。
唐国務委員は「歴史を鑑(かがみ)として未来へ向かい、世々代々の中日友好の推進に努める」との題でスピーチを行った。 フォーラムは遼寧省政府、葫芦島市政府、中国人民対外友好協会、日中友好協会などの共催、約500人が両国から出席した。元在留日本人やその家族もフォーラムのために訪中した。
開幕式には、遼寧省の張文岳省長、対外友好協会の陳昊蘇会長も出席した。 1946年から1948年の間、中国の人民は人道主義の観点から、在留日本人105万人を葫芦島から本国に送還。このために、大量の労力や物資、資金が投じられたという。


村山元首相,この男が出席と聞いただけでこのフォーラムが真の友好ムードとは可成りかけ離れた中共マンセーモードを感じるのだが・・・まぁそれはさておき,
この「100万人大送還」は,終戦後,旧満州の在留日本人が1946年5月から1948年9月までの三年間に渡ってわが祖国に引き揚げた事柄を指す(葫蘆島からの帰還、105万人).
中共はこの引き揚げに際して,我が中国人民が多大なる援助,貢献をしたから達成できたのだとして,上のような式典を開いたというニュースである.この”中国の人民”という言い方がまたまた曲者だ.ご存じのように,1946年~1948年の支那大陸はまだ国民党政府が統治していた時代だ.当時,大陸では国共内戦が繰り広げられており,現政府である中国共産党が政権を獲って”中華人民共和国”が成立するのは1949年のことである.
実質的にも共産党が蒋介石の国民党を追い出したのは1948年の秋なので,この100万人の帰還に現政権である共産党はほぼ関わってないと観て良いだろう.
すなわち,本来なら「中国政府は人道主義の・・・」と書きたいところだが,それを誤魔化して広義の解釈が可能な「人民」に置き換えたものと考えられる.
確かに,あの時,未だ国民党が実権を握っていた葫芦島周辺(現,遼寧省葫芦島(ころとう)市)の人民に多大なる協力をいただいたことは事実である.が,旧ソ連の占領から逃れ満州南部まで来た在留日本人が実際に共産党のお世話になったのかどうかは疑わしいだろう.
筆者はこの辺りまでは調べてないので上のように記述したが,日本の敗戦によって戦後処理の責任を請け負っているのは飽くまで国民党政府であることやその国民党と実権を争っているのがあの毛沢東率いる共産党であることを考え合わせれば,邪魔することはあっても人道的な協力をしたとはとても思えない.
とくに,前者の戦後処理に関してはアメリカが国民党の後押しをして在留日本人の引き揚げを行わせたようなので,尚更,現中共政府に恩着せがましく言われる筋合いはない.
これはまさに”他人のものはオレのもの,オレのものはもちろんオレのもの”という,傲慢極まりない中華思想からくる図々しさが為せる技であろう.

本当に中共はこういった硬軟取り混ぜた対日戦略がお上手ですなぁ,と思うこの頃である.中共の狡賢さをよくご存じの方々は「そうかぁ,中共も良いところがあったんだなぁ」なんてことは努々(ゆめゆめ)思われないだろうことはよく分かっております.

# 参考にした他のURL: ”財団法人 自治体国際化協会,葫芦島市

出張のため,次の更新は日曜(7/2)以降になります.宜しくお願いいたします.



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