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アーカイブ: 2006/12/04

北朝鮮とみこし論


みこしとはお祭りに担ぐ御神輿ですが、ここでは北朝鮮を指すため間違っても神という文字を入れたくない関係上、敢えて”みこし”と書きます。

この週末、チャンネル桜で「2006年 朝鮮半島情勢と拉致問題を総括する」というプログラムを観ました。中国ウオッチャーでジャーナリストの青木直人氏、特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏、チャンネル桜社長の水島総氏のお三人が、主に中国の動きを絡めた朝鮮半島情勢について総括していました。
番組後半で、荒木氏が「北朝鮮は何故にいつまで経っても崩壊しないのか?」という問いに答えるため、北をみこしに例えて説明しておられました。「担ぐみこしは軽いほど良い」的みこし論は頻繁に観られるわけですが、ここでの例えはそれとは異なった意味で非常に上手いなと感じた次第です。

みこしは勿論、北朝鮮で、それを担ぐのは米・中・露・韓・日、つまり六者協議の枠組み国家です。この枠組みの中の微妙なパワーバランスによって非常に不安定ながらも辛うじて上に乗っている状態であるにも拘わらず、みこしは上で身勝手なご託を並べているという構図です。考えてみれば、枠組み自体が支持体の役割をもっていますので、この構図がある限り、崩壊はどんどんと先延ばしにされてみこしからの脅しが本物になってしまえば、自立歩行はされないまでも、担ぎ手はみこしに固定されかねない危惧があります。

筆者もそうですが、荒木氏は核問題や拉致問題、そして北の飢餓と圧政を解決するためには金正日を排除する以外、為し得ないと考えておられます。また、圧政からの解放を願う北の二千万国民にとってもこの思いはきっと同じであろうと信じてます。この枠組みの中で誰かが音頭を取って「さぁ!みこしを一斉に外しましょう」と言わない限り、北は崩壊しないと云うことなんでしょう。
実際、事はそう簡単には行かないわけで、それを一国だけが主張しても自分のところにみこしが傾いて来ることを怖れてどこも言い出しっぺになりたがりません。

尤も、中・韓・露は確信犯みたいなものですから言い出しっぺになることは今の情勢ではまず有り得ません。とくに中共にとって北は利かん坊の息子みたいなもので、何とか温存させたい一心でみこしを支えています。
最近、人様のブログで南京事件の歴史認識に絡めて「北朝鮮問題解決のためには中国の助力が絶対に必要なのに対中強硬路線を行うことは矛盾する」と、宣う御仁がおられるようです。これは正論に見せ掛けた中共擁護論ですね。そもそも中共の対北政策は拉致問題や対日歴史認識と同一の土俵上に登ることのない中共独自の国益の問題です。
例え、日本がその歴史観に於いて中共の言いなりになったところで別マターである拉致問題で尽力してくれるなんて保証は何処にもありません。

話しがちょっと逸れてしまいました。みこし論に戻ります。
とすると、頼れるのはアメリカですが、この国も対中緩和政策の観点と対イラク強硬策の失敗から、積極的に北崩壊のシナリオを書いてくれることはなさそうです。まぁ、尤も次回の六者協議でもって北に最後通牒でも突き付けてくれるのなら頼りがいもあるのですがね。
我が日本は担ぎ手としての力は表向きには非常に弱いように見えますが、枠組みの中では結構、重要な担い手にされちゃってます。封じ込め策は経済制裁をはじめ、やっとそのタブーに手を入れかけたところでまだまだの感が強いです。
何しろ、こういう奴がいるようでは裏からの資金供与は止まらないし、この連中は未だに勘違いも甚だしいこと言ってるし、この放送局は未だに命令を無視し、この連中に擁護されている始末ですからね。

それで結局、どの国も号令が掛けられない状態が現状なわけです。
かといって、この状態が続けば冒頭で述べたように北は核という最大の担がれ理由を得てしまいます。
非常に難しい問題ですが、一つ確かなことは「担ぎ手は少ないほど良い」ということです。ここは敢えて日本はアメリカに核問題を任せて六者協議から離脱するのも逆説的な手としては有効かもしれません。ちょうど北は日本の参加を嫌ってますので、その通りにしてやると・・・、その代わり日本は北により強い覚悟をもって出来る限りの封じ込め策を強行する必要がありますが・・・無理かな?
どうせ六者協議の場で拉致問題を出したところで、北は日本の甘っちょろい覚悟を見通してますのでいつものように無視されるだけですし、枠組みに入っている以上は米中の思惑の中でしか動けない制約もありますから、これ以上の協議への参加にメリットがあるようには思えません。

もう一つ、考えられる手は北にもう一度、核実験かミサイル試射をやらせることです。あと一回や二回の実験では、今の北にアメリカを脅せるような核弾頭の配備は無理です。ですから、北をどんどん焚きつけ制裁を強化させて再実験をやるように仕向けてやるのも有効かもしれません。そうすれば今度こそ、中共もロシアも武力制裁を容認した国連憲章42条適用に同意せざるを得ません。これが出来れば、見事にみこしから叩き落とせます。

このまま、横田めぐみさんとその他数人の帰国で手打ち後、国交正常化なんて悪夢だけは避けねばならないところです(勿論、それさえ無い可能性の方が高いですが・・・)。
拉致された全ての方々を、自分の意志で帰国される人まで含めて取り戻すには大原則として金正日の排除という選択肢しか有効な手はない以上、これから情勢がどの様に推移するにしても、日本はそれを強く念頭に置いて動いて欲しいと強く思います。

この一日に行われた産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の「政治に関する世論調査」によると、安倍政権に一番望むことは「拉致問題の解決」だったそうですね。
なぜ今、支持率が落ちているのか?
表向きの理由である教育改革政策の不備や復党問題の裏に潜む妥協や迎合について、それと初めに期待した「美しい国」の理念との反り具合を、安倍総理はもう一度、よく考えていただきたいと思います。このままでは拉致問題の解決にも大きく影響します。



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