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アーカイブ: 2007/03/06

否認権さえ無いと云うのか?


否認(否定)と云う行為は大まかに分類すれば、完全否認(complete denial)と部分否認(specific denial)の二つに分かれると思います。ある事象全体を完全否認するのは極めて難解な作業であって、否定する側が場合によっては「悪魔の証明」を強いられることはよく知られていることです。こうした作業を巡って、とくに日本の戦時行為について、完全否定の罠に嵌ることは肯定論者に格好の餌を与えることになります。

しかしながら、対象となる戦時行為の構成要素の内、重要な、その事象をシンボライズするような要素を完全否認することは比較的行い易いことだと考えます。何故ならば、日本に永遠の謝罪ループを強要したい連中(他国の反日グループ)にとっては、日本の戦時行為は悪魔の所業でなくてはならず、そこにはおおよそ論破しやすい誇張・歪曲、時には捏造が入り込むからです。
これは部分否認には属しますが、対象要素が事象全体の屋台骨だけに、そうした連中にとってはある意味、致命的な完全否認に近い行為になると思われます。ゆえに、彼らは否認する立場の人間達に歴史修正主義者のレッテルを貼り、貶めるために必死に反発するわけです。

日本は戦後、立派に歩んできたというのに、一体、いつまで日本だけが云われ無き貶めを受けねばならないのか?
しかも、確実な間違いを否認する権利まで許さないと云う言説など、暴論以外の何者でもなく、それこそ自虐意識を巧妙に刺激した言論弾圧です。

どうも要らぬ前置きが長くなってしまいましたが、いわゆる従軍慰安婦(Comfort Women)問題は日本の戦時行為に属するものの中でも、上記の完全否認的部分否認は当然のこと、オーバーオールな完全否認さえ許容できそうな事象の一つだと思います。
彼女らは大部分が不幸な身の上であったかもしれませんが、冷たい言い方をすれば・・・と云うより、ただの「戦地売春婦(Field Prostitutes)」と呼んだ方がより事実を反映した形となるでしょうね。
ところが、海外の反日グループにとっては、ただの戦地売春婦ではこの戦時行為を何ら悪意をもってシンボライズできないので、強制連行をイメージさせる従軍慰安婦という言葉を意地でも使い続けることでしょう。

さて、安倍総理は先日、この問題における(狭義の)強制性を否定した発言を行いましたが、予想以上の海外メディアの反発を喰らったせいか、いつもの弱気が顕れてしまっています。

慰安婦問題 首相、米下院で決議されても「謝罪の必要なし」

 安倍晋三首相は5日午前の参院予算委員会で、米下院に提出された慰安婦問題をめぐる対日非難決議案について、「決議案は客観的事実に基づいていない。決議があっても謝罪することはない」と述べ、決議案に強い不快感を示した。  

また、首相は、慰安婦問題を謝罪した平成5年の「河野洋平官房長官談話」について「基本的に継承していく」と明言。その上で「官憲が家に乗り込んで人さらいのように連れて行くような強制性はなかった」と述べ、狭義の強制性を重ねて否定。米下院の公聴会で証言した元慰安婦の証言についても「裏付けのある証言はない」と述べた。

 民主党の小川敏夫参院幹事長への答弁。小川氏が「きちんと謝罪しないと、日本が戦争に対する反省をしていないと受け取られる」と主張したのに対し、首相は「戦後60年の日本の歩みは高く評価されてきた。小川氏は日本の歩みを貶(おとし)めようとしている」と強く反発。「小川氏は決議案が正しいと思っているのか」と切り返す場面もあった。


安倍総理の心根に完全否認の意図があることは後半の小川幹事長とのやり取りから酌み取れるものの、狭義の強制性のみを否定したところで、この問題の抜本対策にはなってませんよ。折角、少しは闘う政治家としての牙を剥き始めたと思ったのも束の間、「基本的に継承する」はないでしょう!?

旧日本軍にある責任の所在は只の管理責任です。これが「広義の強制性」に当たるとは到底思えません。
子供が不始末をしでかしたからと云って、その親が不始末を強要したことには為らないことと一緒で、そこにあるのは単なる管理責任だけであって、「広義の強制性」を強弁したいのならば、その親が子供に不始末を強要したことを証明しなくてはならないのにその証拠は出てこないのは、先のマイク・ホンダ氏のインタビューからも明らかです(例の河野談話で謝ったのが何よりの証拠じゃ~と云うやつです)。

軍による強制性があったと云われているオランダ人慰安婦に関する「スマラン事件」でさえも、肯定派、否定派共にこれを事実として議論対象にしていますが、以下の評論を見ると、この事件が果たして強制性を証明する事象だったかどうかも怪しく思えてきます。

-映画「南京の真実」を応援するチャンネル桜の北米派遣軍(主に海外サイトで虐殺肯定派と議論されている有志の方々の呼称)のお一人であるEmmanuel_Chanel氏の運営されているHP(北の狼ファンクラブ北の狼雑論集「株を落としましょう」)から抜粋して転載-

(1)「スマラン事件」

例の、日本軍による慰安婦の強制連行の証拠としてたびたび持ち出されるのが、この「スマラン事件」ですが、強制連行肯定派、否定派ともにこれを”事実”として議論をしています。

しかし、皆さん、ちょっと頭を冷やして考えてみて下さい。
この「事件」を裁いたのは、オランダによって開設された「バタヴィア臨時軍法会議」です。第二次世界大戦後の日本軍戦犯裁判は、A級戦犯を裁いた「東京裁判」でさえあの体たらく、ましてやBC級裁判にいたっては何をかいわんや、です。
さらに、BC級裁判のなかでも、もっとも酷かったのがオランダによるものです。日本人捕虜の虐待、誘導尋問、証拠原則の無視、デッチアゲ等はあたりまえ。オランダ本国では賞金つきで証人を募集したり、当時のインドネシアに在住していたオランダ人は証人として名乗り出ることが半強制的に求められたとも(もちろん、これらの証人は、日本側に不利な類の証言をすることを、当然のこととして求められたのでした)。

ただし、オランダ側からすれば無理もない話かもしれません。なにしろ、東アジアの重要な植民地を日本に奪われ、しかも、終戦後には、インドネシア独立運動(闘争)にかなりの数の日本軍人が参加していましたから。ただ、この運動に参加した日本軍人のなかには、日本人捕虜に対する虐待があまりに酷いので、脱走し、オランダに対する反発から独立運動に参加した者も少なくなかったとのこと。

こういう情況の中で、裁かれたのが「スマラン事件」なのです。
この裁判のいい加減ぶりを、2、3示しましょう。

S.I.陸軍大佐;スマランで慰安所が開設された当時、S.I.陸軍大佐は公用のため東京におり、慰安所開設には一切かかわっていないのに、懲役15年の刑を言い渡されている。

S.N. 陸軍大尉(軍医);S.N. 陸軍大尉はこの慰安所(「将校倶楽部」)の慰安婦の検梅(花柳病すなわち梅毒の検査)の任にあたっていたのですが、S.N. 陸軍大尉の任務は”検査”のみであって、”治療”には一切責任も権限もなかった。しかも、S.N. 陸軍大尉が検査したなかには梅毒患者は一人もいなかった。しかしながら、後にオランダ人慰安婦の中から梅毒が見つかったので、その責を問われて、16年の刑が言い渡されています。この梅毒にかかった慰安婦は、他所で”商売中”に感染した可能性があるのでは。

陸軍は「将校倶楽部」の開設にあたっては、慰安婦の募集・慰安所の開設を現地人たるスマラン州長官に依頼し、それを受けて州政庁の役人がジャワ島に抑留中のオランダ人女性の中から希望者を募って慰安婦としたものです。実は、日本軍が侵攻する前、オランダ軍相手に売春をしていた女性が少なからずいて、彼女らの一部はそのままジャワに取り残されて抑留されていたのです。抑留者を管理していたのは、もちろん日本軍ですので、募集にあたっては、日本軍司令部の許可を(慰安婦本人のサインと承諾所をえることを条件として)受けています。しかし、この募集に最も重要な役割を果たしたスマラン州長官や役人は、一人として、逮捕されるどころか法廷に証人として呼ばれてさえいません。その理由は、もちろん、オランダ側としては、これら慰安婦は「強制連行」されたものであると一方的に決めつけ、日本人を処罰する目的・必要があったのであり、スマラン州長官や役人に真相を暴路されることを恐れたためでありましょう。裁判とは、名ばかりのものです。

オランダ政府は、この事件を扱った裁判の記録を一切公表していません。朝日新聞の記者や吉見氏や桜井氏がみたというのは、オランダ政府による裁判記録の”要約”です。この裁判では、岡田陸軍少佐が死刑になっていますが、もし冤罪であったとすれば、オランダ政府がわざわざそのような証拠を公開するはずなどないでしょう。

なお、この慰安所が閉鎖されたのは、オランダ人の体臭などが原因で、客足が全く絶え、商売がなりたたなくなり、自然閉鎖されたとのことです。

以上が、私による調査結果です。しかし、何といっても、一次資料たる「裁判記録」が公開されないことには(オランダ政府に、その気があるとは到底思えません、と言うより公開できないといった方が正確か)、この事件の正確な評価・判断は不可能です。従って、「スマラン事件」を、日本軍による慰安婦の強制連行の証拠とすることは、現時点では不可能なのです。


因みに北の狼氏=Emmanuel_Chanel氏ではなく、南京虐殺否定派の中で最強の論客である北の狼氏を讃えてその評論集を掲載しているHPが「北の狼ファンクラブ」です(北の狼とは誰か)。ここは以前の拙エントリーのコメント欄でも紹介させていただいたHPですが、筆者はここにある”「便衣隊」考編”を拝読して、南京における便衣兵処断の合法性に、より確信を持てるようになりました。

余談はさておき、このスマラン事件、当時から日本に対する逆恨みの強かったオランダの非常に恣意性の高い戦犯裁判で彩られている感があります。否定派にあっては、このスマラン事件を認めてはいても、基本的にこれは特殊性の高い一部の軍人の軍紀違反行為であって、何よりもその行為自体が裁かれていることから、反って軍の強制性を否定するものだとの見解が主ですが、事件を俯瞰してみれば、こうした軍紀違反行為自体が本当に有ったかどうかも疑わしいもののようです。

また、上記の評論にある「一次資料たる裁判記録が公開されていない」との記述が現時点(2007年)でも有効かどうかは分かりませんが、これに関して、「日本占領下インドネシアにおける慰安婦」(pdfです)と云うオランダ公文書館調査報告が、あのアジア女性基金のサイト内にあるようです。
これは「ぼやきくっくり」様の関連エントリー(「報道2001」慰安婦問題ホンダ議員生出演)内で福原様という方がコメントされていた記述から見つけました(福原様、有り難うございました)。
長文ですし、筆者も全部読んでおりませんので引用はしませんが、やはりオランダ主体の裁判ですから、当該慰安婦の証言にしても、何処まで客観視出来るかどうかは本当に裁判記録でも読まない限り、正確な事件の輪郭は掴めないでしょう。福原様に依ると、強制性はあったものの、少なくとも従来の解釈通り、軍による組織的関与は無いとの感想を得られたようです。

このように確証性の高いオランダ人慰安婦の例でさえ、この有様ですから、朝鮮人慰安婦や(数は少ないが)中国人慰安婦に至っては言うに及ばずでしょう。

どう考えても、この問題の解決には安倍総理が河野談話小泉前首相の手紙も酷い内容です)を完全否定するしかありません。河野氏が非を認めて打ち消すことが出来ればもっと良いのですけど、彼がそれをやるとは到底思えませんので、安倍内閣が取り消すしかないわけです。
広義の強制性なんて云う胡散臭い土台に立った反論では、とてもじゃないが、飽くまで確信犯の反日勢力を黙らすことは出来ないでしょう。
勿論、狭義の強制性を改めて否定しても、これだけの批判があるのですから、完全否定すれば、猛烈な旋風が巻き起こるでしょうが、信頼できる客観データと共に「謝った」ことは大いなる過ちでしたと、広く世界にアナウンスするしかない方法はないですよ。

それにしても安倍総理、この程度の反発で萎れてしまうようでは平壌宣言の破棄なんて出来る道理がないですね。これでは秋までの靖国参拝もまず無理っぽいし、今まで安倍晋三と云う男に少しでも期待した筆者がやっぱり馬鹿なんですかねぇ。

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