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アーカイブ: 2008/02/10
映画「南京の真実」関西上映会(大阪・八尾)に行って参りました
- 2008.02.10 Sunday
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映画「南京の真実」第一部「七人の『死刑囚』」の関西上映会(大阪・八尾、プリズムホール)に行き、東京試写会ではとうとう観ることが出来なかった、この映画を鑑賞させていただきました。
先月の東京試写会はロビー鑑賞組でしたので、通して観るのはこれが初めてでした。
昨日、二月九日は生憎の悪天候(雪で近鉄が遅れました)でした。ですから出足に可成り影響したと思いますが、それでも筆者の目で8~9割(キャパは1440人)、実際には約一千人の方々が参集下さったようです。事実、天候のせいで行けなかった方もおられます。
これを考えれば、大成功!と言っても良いと思います。
これも、約二ヶ月前から陰日向で宣伝・広報を担当された関西上映実行委員会の方々によるご努力の結実した成果でしょう。
さて、映画の方ですが、筆者には気になっていることがありました。
映画は、あの勝者の裁判たる極東国際軍事法廷(東京裁判)で生け贄にされたと云ってよい、いわゆるA級戦犯七人の死刑執行24時間前の主に心理描写を捉えたものです。
東京試写会後、この映画は南京虐殺肯定派から様々な批判を受けました。勿論、同否定派からも批判はありました。やれ冗長的だ、やれ長過ぎる(上映3時間)、はたまた、これのどこに対中情報戦に打ち勝つ要素があるんだ?などと、中には納得しないでもないご意見も散見されました。
こうした批判の中に、なるほど、このシーンがないとちょっと弁解できないな、と思えるほど致命的な異見がありました。
この七人の方々の中で、南京事件に直接関係のある方は松井石根大将(中支那方面軍司令官・上海派遣軍司令官)です。当然、この映画の中では松井大将と死刑執行に際して最後を見届ける役目の花山信勝教誨師とが、様々な場面で語り合うシーンがあります。
花山教誨師は裁判後の1949年に、「平和の発見」(現、巣鴨の生と死 ある教誨師の記録)と云う本を著されていますが、その中に処刑前に松井大将が語ったとされる以下の部分があります。
「南京事件ではお恥しい限りです。南京入城の後、慰霊祭の時に、シナ人の死者も一しょにと私が申したところ、参謀長以下何も分らんから、日本軍の士気に関するでしょうといって、師団長はじめあんなことをしたのだ。
私は日露戦争の時、大尉として従軍したが、その当時の師団長と、今度の師団長などと比べてみると、問題にならんほど悪いですね。日露戦争の時は、シナ人に対してはもちろんだが、ロシヤ人に対しても、俘虜の取扱い、その他よくいっていた。今度はそうはいかなかった。
政府当局ではそう考えたわけではなかったろうが、武士道とか人道とかいう点では、当時とは全く変っておった。慰霊祭の直後、私は皆を集めて軍総司令官として泣いて怒った。その時は朝香宮もおられ、柳川中将も方面軍司令官だったが。折角皇威を輝かしたのに、あの兵の暴行によって一挙にしてそれを落してしまった、
と。ところが、このことのあとで、みなが笑った。甚だしいのは、或る師団長の如きは「当り前ですよ」とさえいった。従って、私だけでもこういう結果になるということは、当時の軍人達に一人でも多く、深い反省を与えるという意味で大変に嬉しい。折角こうなったのだから、このまま往生したいと思っている」
(巣鴨の生と死 ― ある教誨師の記録 ―、-クリック20世紀-より引用、改行は筆者)
松井大将がこれを語ったであろうことはおそらく間違いないでしょう。事実、南京虐殺肯定派はこのシーンをして、南京攻略戦総司令官たる松井大将でさえ虐殺を認めていると云う根拠によく引用されます。
要はこれを、この映画はスルーしたと批判しているわけです。一部のブログや2ちゃんねるで云われていた批判です。
確かに、一応、ドキュメンタリータッチを謳うこの映画には不可欠なシーンだと思われます。この部分がスルーされていたのなら言い訳が出来ません。
で、結果はどうであったのか?・・・スルーしていたというのは嘘、デマでした。
きちんと、それなりの時間を割いてこの会話を水島監督の解釈、おそらく全否定派の一致するところの見解と思われる解釈を加えて再現されていました。
この解釈については、筆者の拙い見解よりももっと上手く解説されているこのサイト(松井石根(まついいわね)大将)に譲った方が良いでしょう(我軍の暴行、掠奪事件)。筆者は、そしておそらく水島監督も、多くの南京否定派の皆さんも、これはいわゆる「南京虐殺」ではないと思ってます。
冒頭の有名な「南京事件ではお恥ずかしい限りです」は確かに無く、そこまで厳密性を保たせるのであれば批判できないわけではありませんが、完全なドキュメンタリーではない映画で、これをオミットすることを卑怯だの姑息だの云われる筋合いはありません。
この映画も、云われ無き貶めに対する一つの検証事案であり、それを監督自らの解釈を加えて表現することに何の問題がありましょう?
あぁ確かにこの会話シーンは、あれだな、と分かる形で挿入されていたという事実は覆せません。さらに云えば、本当に処刑直前に松井大将は口述という形で、「南京虐殺の罪で・・・」と訴因らしきものを言わされるシーンまでちゃんとありました。
無論、大将が公式に南京虐殺など認めていないのは先のサイトに譲るまでもなく、明らかなことですが(南京虐殺・暴行に関する証言に対する抗議)。
昨年11月、筆者はこの映画でもロケ場所となった熱海の興亜観音に参詣し、松井大将の人なりに触れております。この方は誇るべき軍人、武人の鏡でした。この一言で十分です。
氏の支那事変における戦略に間違いがあったことを認めるのは吝かではありませんが、それとは別に氏の人となりは観るべきでしょう。加えて、率いる軍隊の軍紀が日露戦争の頃よりも緩んでしまっていたというのも、先の会話の動機の一つに入ることでしょう。
映画ではこの部分も包み隠さず触れておりました。何の問題もありません!
最後に一言だけ苦言らしきものを言わせていただきますと、もっと検証性を明確にした方が良かったのかな?と思いました。彼ら七人が、如何に強大な欺瞞の中で裁かれてしまったのかを、一人ずつ細かにその訴因から読み解いていく作業があっても良いと感じたのでした。
映画の第二部は検証編らしいので、その辺りのところを詳細に解説されるのかもしれませんね。
水島監督には「良い映画を有り難うございました」と挨拶を兼ねて御礼を述べ、ほんの僅かに後片づけらしきものを手伝って会場を後にしました。
これからも応援を続けさせていただきます。
反日プロパガンダに対抗する!!
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