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アーカイブ: 2006/09/19

学位製造工場(ディプロマミル)


散歩道さんのエントリーを観て反射的かつ備忘録的に、このニュース(でたらめな論文で米大学の博士号…33人摘発)についての感想を書いておきます。
仁川地方警察庁は18日、米国ロサンゼルスのP大学にでたらめな論文を提出し、博士学位を取得した33人を摘発、このうち現役および元教授3人、英語スクールの院長1人、事業家2人、芸術系関係者2人を立件した。
また、海外在住または控訴時効(5年)が過ぎた軍法務官、公務員、教授など残り25人のうち、教授4人に対しては該当の大学が処分するよう通達した。

 ソウル某大学の教授であるコ某容疑者(42)は、2003年P大学に入学金と授業料として1万ドルを支払い、3カ月間にインターネットで60単位を履修したあと、既存の論文を組み合わせただけの論文を提出し、博士学位を取得した。博士学位取得まで計半年しかかからなかった。
忠清北道の某大学教授のキム某容疑者(38)も同様の手口で2004年に博士学位を取得し、大邱の某大学の教授だったイ某容疑者(45)も1991年に同じ手口で学位を取得したことが分かった。このほかに立件された容疑者は、1992年12月から2004年7月までに700万-1000万ウォン(約86万円-123万円)を支払い、工学・経営学・文学分野の博士学位を取得した疑いが持たれている。

 警察は「容疑者らのほとんどはP大学に通ったこともなく、自分の名前で書いた論文の内容も知らなかった」とし、「自分の学位論文の題名を英語で書くことすらできない人もいた」と話した。
また、「米国の会計検査院(GAO)はP大学を“ディプロマミル(英:diploma mill、証書工場の意)”に規定しており、米国大学認証機関(GAO)にも登録されていないことが確認された」とした。仁川警察庁のキム・ホンギ捜査2係長は、「海外で博士学位を取得していない場合、韓国で大学教授になることが難しいことから、このような方法でも博士学位を取得しようとする人が多い」と説明した。

このディプロマミル問題は少し前にNHKの特集で見たことがあります。
日本でもP大学ではないですが、I大学なんてのがありますね、某有名UFOディレクターが教授やってたとこですね。今でもやってるんですかね?もっと昔には、特許大学なんてのもありました。
これらの大学は日本で云えば、文科省の認定した大学ではありませんので、当然ながら、そこで得た学位もフォーマルな学位として認定されません。
日本にも、Dr.○パとか、ドクター○松とかの怪しい学位持ちがいますので、偉そうなことは言えませんが、韓国の場合はもっと深刻ですね。

> 「自分の学位論文の題名を英語で書くことすらできない人もいた

これは笑うとこですか?、まさかこれに当たる人は太字で示した某大学の教授じゃあるまいな・・・、そうだとしたら、子供銀行ならぬ子供大学だなぁ。

そういやぁ、日本の有名大学の先生にも、確かI大学で学位を取ったのがいたと聞いたことがあります(真偽は分からず)。現在はちゃんと母校で「工学博士」を取得されていますが、元々そうだったのかは定かではありません(ヒント、エジプト・・・)。
因みに、日本の大学で正式に博士学位を取ると、それが1984年以降なら「国立国会図書館 蔵書検索・申込システム」で検索できるはずです(1983以前も一部検索可)。ただし、ここで検索可になるのは学位論文を提出後、大体一年程度かかります(筆者の場合、一年以上かかりました)。

しかし、大学教員が多いですね。韓国は日本以上の学歴社会らしいですが、こんな教授のいる大学に行っても意味がないような・・・日本もすでに実質、大学全入時代に入ってますから、同じことが云えますが、ここまでは酷くないと思いたいですね。

こういう商売が未だに流行るというのは、博士学位にステータスが残ってるんですかね。学位は正式には「Degree」であって、「License=資格」ではありませんが、実質的にはライセンスの一つに過ぎません。でも、それだけでは食えないことは今も昔も余り変わりません。
学位を「足の裏に付いた米粒」とは、実によく云ったものです。そのココロは・・・「取らないと気持ち悪いが、取っても食えない」、ご存じの方は多いと思いますが一応。

↓ここからはどうでもいい解説ですので、敢えて読んでいただかなくても結構です。

日本の場合はちょっと特殊で、正式な学位取得方法が2種類あります。これ以外の方法で取った学位は全てインチキ学位です(ここで云う大学及び大学院は文科省の認定したものを指します)。

一つは「過程博士(コースドクター)」でこれは欧米と同じ方法です。大学院の博士後期課程に在籍して所定の単位を取得後、博士論文を提出して学位を取得しますが、大抵の場合、博士論文を構成する章には査読(審査)のあるジャーナル(大抵、英文)に投稿した論文を充当する必要があります(コースの場合は大学によっても異なりますが、平均三報程度)。

もう一つは「論文博士(ペーパードクター)」で、日本独自の取得方法です。大学院を経ないで、上記の論文投稿のみで学位を取得する方法です(実は私も・・・)。とは云っても、この場合に要求される論文数はコースよりも当然シビアで最低でも筆頭著者(ファースト・オーサー)の論文が五報以上を必要とする大学が多いです。それと、大学院の後期課程に相当する学力認定試験があります(尤も、形ばかりの場合が多いですが・・・)。

後者の方法はもうすぐ無くなるようです、欧米のシステムに合わせるため、社会人コースの大学院が整備されてきたため、とか云われてますが、実際は大学院の授業料収入を増やすこととその存在意義の堅持が目的なのだと思います。



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平壌宣言からすでに4年も経ってしまいました


金正日と交わした平壌宣言からちょうど4年が過ぎました。
交わした本人の総裁任期はもう終わろうとしており、その調印の際、極めて象徴的な働きをした安倍現官房長官がその後釜に座ろうとしています。
さて、安倍次期総理はこの平壌宣言という一種の憑依霊をどのように除霊するのか、よ~く観察させていただくことにしようと思います。

産経iza「平壌宣言4周年 次期政権、対北包囲網どう構築」より、
平壌宣言に対する安倍氏の思いは複雑だが、国交正常化による多額の援助を武器に金総書記を交渉のテーブルにつかせた宣言の意義は十分理解している。小泉首相の訪朝で、拉致は「疑惑」から「事件」に変わり、北朝鮮が生存を認めた拉致被害者5人とその家族の帰国が実現した。平壌宣言が日朝交渉を継続するための唯一の「証文」であることは間違いない。 

このため、安倍氏は、北朝鮮が今年7月に弾道ミサイルを連続発射した際も「平壌宣言の違反は明白だ。大変な憤りを感じる」と述べたが、宣言の「無効」「破棄」には踏み込まなかった。

 一方で、安倍氏は周囲に「北朝鮮に融和的に接しても要求をエスカレートさせるだけだ。圧力があってこそ対話の扉を開く」と語っている。安倍氏を批判する勢力は「強硬措置は北朝鮮の暴発を招きかねない」と主張するが、安倍氏は「金総書記は暴発すれば政権が崩壊することを理解している。おいしいエサをぶら下げた平壌宣言を一方的に破棄することはない」とみる。

記事にあるように、確かに平壌宣言は釣り餌の一つでしょう。ですが、何度も言うように、宣言文中に拉致に言及したと思われる部分は

朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。」

と、たったのこれだけです。しかも「今後」ですよ、これは「これからはもうしません」と言っているに過ぎないわけです。
これでは田中均氏が交わした密約なんてものを持ち出すまでもなく、宣言の本質は「国交正常化に名を借りた日本の賠償確約」に他なりません。ゆえに北はしつこく何度も、「日朝平壌宣言の不履行は日本に責任」と言い続けるのだと思います(平壌放送「日朝平壌宣言の不履行は日本に責任」)。
北を擁護する気なんて更々ありませんが、筆者が金正日でも、この方針で日本を揺さ振り続けてシラを切り通しますね。
北に思いっきり有利な条件で結ばされた空文にも等しい平壌宣言を釣り餌と云うだけで、こんなものを後生大事に有効としている理由がよく分かりません。
これは大東亜戦争終結時のSF平和条約とは質のまったく異なるものですし、幸いというか、都合良く北の方から少なくとも二度は宣言違反(核保有宣言と弾道ミサイル試射)をしてくれているわけですから、いつでも破棄宣告を出せるはずです。多分、さらに地下核実験という、明確なる違反も早晩加わることでしょう。

平壌宣言など無くても、日本が真に覚悟した制裁を行えば、北は必ず根を上げて、自分から交渉ルートを新たに開けてくるものと考えます。金正日の頭の中は「暴発」より「生き残り」です、これはまず間違いないことだと思います。

先程、日テレで妙に小泉総理と田中均氏を「格好良く」描いた茶番ドラマをやってましたが、その番組中に挿入された対談部分で安倍氏は「拉致問題の解決のためには自ら(総理)が訪朝する覚悟がある」と仰ってました。尤も、この覚悟は麻生氏も谷垣氏も明言してましたが・・・
訪朝する覚悟より、平壌宣言を破棄する覚悟をもっていただきたいと思います。
まぁ現実的に思い切り譲歩したとしても、平壌宣言の破棄をちらつかせて交渉を有利に進めるくらいの狡猾さは必要でしょう。さらに、金融制裁の閣議決定は必ずやっていただきたいと思います(小泉さんの思惑はちょっと怪しいので)。

余談ですが、北に関してアメリカ側の融和発言、若しくはそれに準ずる発言(脅威発言)が相次いでますね。アメリカ側と云っても、政府主体ではないところが、何やら先の日本への非難決議と被るものがあります。

元駐韓米大使「北朝鮮制裁は逆効果生むだけ」
「金総書記の権力は依然として不動」米専門家
カーター元大統領「北、米が圧力を加えれば韓国攻撃も」
盧大統領「韓国保守が米軍の地雷線として使おうと…」

とくに、四つ目の記事には、
またこの日、米下院国際関係委員会が日本の従軍慰安婦動員を責めた決議案を通過させたことについて、盧大統領は「韓国の苦しい歴史を理解し証言した決議案通過に感謝する」と謝意を示したと消息筋は伝えた。

とあり、米下院に対する韓国のロビー活動の成功が語られてますねぇ。
この種の擁護的発言は主としてアメリカの主流というか、ブッシュへのカウンターのようです。ブッシュ政権の執る政策(北への強硬策)へネガティブな発言を繰り返すことで、それと反対の政策を採ろうとする次期政権(民主党かな?)への誘導を容易にすることを狙っているとも読み取れます。
その見方で云えば、前エントリーで述べた対日批判もその一環で行っているに過ぎないとも考えることが出来ますね。

日本の対北政策に限って云えば、今のブッシュ政権のうちに決着をつけないと、時間の針はちょっとどころか、2002年以前に戻りかねない、そんな気がします。これまた、何度も言いますが、拉致問題に限っても安倍政権の責任は非常に大きいものです、それに押しつぶされないよう、強い覚悟をもって政権を担当していただきたいと思います。
おかしなことをやったなら、これからは容赦なく叩かせていただきます。
 


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