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アーカイブ: 2006/07/24

経年変化の差異から見えてくる宮内庁の意図


先帝陛下の大御心については筆者なりの結論・思いを前エントリーで述べさせていただいたので富田メモに対してもうあれこれ言うのは畏れ多いのかもしれませんが,やはり化学屋の性なのか?,紙質やインクの経年変化の相違が気になってしまいます。言ってみれば,経年変化は嘘は吐かないと云うところでしょうか。例えば,多くの方が指摘しているこの写真の左右ページの差異

tennoumemo4.jpg

写真というものは光の当たり具合と被写体の位置の相対関係によって実像との違いが大きくなることがありますので何とも云えないのですが,他の公開画像を見てもやはり左右ページの差異は経年変化の相違を示していると観た方がリーズナブルです。左ページの紙質は黄変が進んでおり,インクも完全に黒化しています。反して,右ページの紙質は左pより可成り白く,インク色も視認では完全に青色です。

左右ページがほぼ同時期に書かれたものと仮定した場合,これは科学的に観て整合性がありません(飽くまで既存写真を元に判定した結果です)。
無論,左のメモ帳そのものの紙と右の貼り付け紙とでは紙質が異なっているのは分かっています。メモ帳の紙質は経年変化から観て,おそらく右の貼り付け紙より酸性度が高くリグニン量の多い紙が使われていると思われます。
紙の原料であるパルプには木材の三要素のセルロース,ヘミセルロース,リグニンが必ず入ってます。抄紙工程には紙とするために色々な薬剤を添加しますが,通常の酸性紙には定着剤として硫酸アルミニウムなどの酸性液が含有されていますので,これが色々と悪戯をします。可視光(通常の光)によりセルロースやヘミセルロースは劣化分解していわゆるボロボロでカスカスの紙力を失った状態になり,さらに酸性劣化によってリグニンの黄変(茶変)が生じます。これが通常の紙の劣化と云われているものです。70年代中盤以降より,酸性度の低い中性の紙(中性紙,実際は塩基(アルカリ)性)がよく使われるようになってきていますので,これらの劣化が可成り抑制されるようになっています。ですから,左右ページの紙質の違いは明らかで,経年変化に相違があるのも別段,問題ではないでしょう。それにしても右はやけに白いですが・・・実物を見ないことには何とも云いようがありません。

問題はインクだと思います。右ページのインク色はブルーを保っています。
一般に染料インクですと,その化学構造に依って青色より赤色の方が退色が激しくなります(波長の影響もあるかも?)。筆者は少しばかり分散染料を使ったポリエステルの捺染テーマ(インクジェットプリンティング)をかじったことがあるので大体分かるのですが,ブルーというのは割と発色しやすく劣化が少ない染料だと思います。ですが,このケースでは筆記具が万年筆でブルーブラックインクを使って書いているのでは?というのが一般的な見方になっています。確かにあの年齢辺りの方(富田元長官)なら,万年筆を愛用してもおかしくないでしょうね。万年筆のインクについて筆者は詳しくないので,このHP(インク研究会様)を参照すると,ブルーブラックインクというのはブルー染料と硫酸第一鉄をミックスして調製したインクだと云うことです。硫酸第一鉄溶液は透明ですので,書いた当初はブルー染料の青が発色されますが,空気に触れて第一鉄が第二鉄に酸化されると黒化します。或いはカーボンブラックのような顔料が入っていると,最初から黒みがかった青色を発色する。



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