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アーカイブ: 2006/07/04

遺骨問題は総合的に考えるべき


横田めぐみさんの夫とされる金英男氏とその周辺家族の発言がここのところ頻出しているわけですが,彼らは悲しいかな,北が崩壊するまで戻れぬ魔界に行ってしまった方々です.彼らの言葉は金正日の言葉だと観て間違いないでしょう.ですから,それを一々採り上げ,そして彼らを批判したところで意味を為しません.

しかしながら,発言の一部は検証に値するものもあるのは事実でしょう.とくに,めぐみさんの遺骨に関して,「火葬場の管理者のミスで、他人の骨が混ざった可能性がある」と述べた金英男氏の発言は,日本側の鑑定結果を図らずも肯定したとも取れる発言でしょうね.明らかに北サイドのスクリプトミスです.
現役雑誌記者による、ブログ日記!”さんのこのエントリーを観ると,北はこの鑑定結果を,NATURE誌の記事を引き合いに出して叩いていたそうですから,今回その整合性が崩れてきたことになります.

筆者の専門は生化学ではありませんので,この鑑定に使われたnested PCR法にどんな欠点があるのか詳細には理解できていませんが,少なくとも2点だけは分かったつもりです.一つめは”コンタミネーション(分析対象外の不純物,汚れ)”の混入とその増幅への懸念,2つめは”再現性”への懸念です.これらは分析化学における注意点の基本中の基本ですから当たり前のことなんですが,どうもこの辺りが先の鑑定では不透明らしいとのことでした.これらを指摘したNATURE誌のサイエンティフィックな態度に異論を挟むことはしません.ただ結果的にNATUREの権威を盾に,北がこれを利用したことについては批評時期を遅らす等の時間的配慮が欲しかったなぁとは思いますが・・・
問題はこうした鑑定結果への疑念を利用して北を擁護するかのような意見を述べる人間です.ブログでも見かけましたし,国会議員でも首藤という議員がいましたね.この首藤議員,分析手法がまるで100%否定されたかのように,「北が汚いことをやったからといって,日本も汚いことをやって良いはずがない」などと妄言を吐いてました.一見,正論を述べているようでいて,その実,日本が捏造していると決めつけた態度でした.完全なる北の走狗です(この男,選挙落ちてましたっけ?).NATUREは誰も捏造したなどとレビューしてません.
或いは,ここまで酷くなくても,純然たる科学的態度として批判するスタイルを採りながら,さり気なく北寄りの意見を述べるところなら,それこそ左派系サイトを中心に沢山あります.これに関しては”きこりさんのサイト”を参照していただけたらと思います.LINKを辿っていくと色々と面白い意見を見ることが出来ます.後で少し述べますが,筆者はきこりさんのご意見に賛同いたします.
また,政治色をほぼ排して純粋なサイエンスレビューをされていたサイトもありました.例えば,”あるコリア系日本人の徒然草”さんのこのエントリーでは鑑定手法の問題点がよく分かりました.ただ,分析法の脆弱性が経済制裁を踏み止めているとのご意見には賛同できかねますが・・・まぁこのエントリーは昨年の3月のものですから現時点でのご意見は不明です.

以上,今回,再浮上してきた遺骨問題に関して結構なサイトを巡って拝見してきましたが,言えることは鑑定手法とその結果は別に考える必要があるということです.
鑑定手法は結果を得るための一手段に過ぎないことを銘記すべきです.サイエンティフィックに鑑定手法を批評することは結構ですが,それをもって日本政府の判断がおかしいとする考え方には同意できません.分析化学では分析対象を特定する場合,数種類の適当な手法でもってクロスチェックすることが常道です.この場合の科学的手法はDNA鑑定が代表的,かつ唯一無二に近いことは筆者のような素人でも分かることですが,問題は他の科学的手法がほぼ皆無に等しいことです(他にあったらご指摘下さい).したがって,残るクロスチェック法は北の取る態度や行動による状況判断に頼る以外にないことになります.

北は当初,めぐみさんの遺骨はないといったにも拘わらず,後になってわざとらしく出してきました.しかも,異例の高温(1200℃)で2度までも焼くという,非常に分かりやすい形で・・・これの意味するところは通常,馬鹿でも分かりますね.この背景として,先に問題となった松木薫さんのDNA鑑定結果があることは明らかです.北は日本の技術を見くびっていたのでしょう,ゆえに今度はここまで処理してしまえば判別できないと考えたと観て間違いないと思います.
つまり,最終判断(結果)は飽くまで総合的に考えるべきだと思うわけです.上の前者二つの考え方は何故か,そこのところを避けていて,科学的観点という隠れ蓑を使ってそれを暈かしていることが,筆者がちょっとおかしいんじゃないかと思うところです.
今回の金英男氏の発言を加えるならば,一層,遺骨は偽物であるという確信が高まったと観て良いでしょう.北はさらに墓穴を掘ったことになります.

無論,遺骨が偽物であることをもって,めぐみさんが生存していることの証明にはなりません.また,鑑定結果に対する日本政府の対応の稚拙さも問題です.あの時,細田前官房長官がNATUREの記事を嘘と判断したことは大きな間違いで,この問題を今に引き摺らしている最大の原因でしょう.さらに,鑑定を行った帝京大講師を政府側に取り入れてしまって口封じしてしまったことも批判されてしかるべきことでしょう(科捜研への異動人事のこと).
政府は確か,遺骨問題での判断を総合的に勘案したと言っていたように記憶していたのですが,それなら尚のこと,科学的鑑定には不備があることを認め,それを補足として状況証拠を強く北に突き付けるべきでした.まぁ意地でもそれを認めなかったことが,今回の金英男氏のミス発言に繋がったと考えることも出来ますが・・・

いずれにせよ,ここまで北に虚仮にされても,あのボロ船一つ止められない日本政府は一体何なんでしょうか.北の工作によって色々な問題が噴出し,さらに複雑化していく背景には日本政府の煮え切らない態度があることはもはや明白です.そういった困り事を生み出す時間的余裕を与えてしまっているのですよ,日本政府は.
安倍官房長官はこの期に及んでも,未だこんなことを言っています.

北の拉致問題、サミット議題に…官房長官

安倍官房長官は30日の記者会見で、北朝鮮による拉致問題について「国際社会全体で北朝鮮に解決を迫ることが重要だ。日米首脳会談で拉致問題の解決は日米共通の目標だと確認したので、(7月中旬の)サミット(主要国首脳会議)で日米が各国に働きかけていくことになる」と述べ、日米が連携して、サミットで拉致問題を議題とするよう各国に働きかけたいとの考えを示した。
また、安倍長官は「北朝鮮が誠意ある対応で問題に取り組んでいないことを主張したい」と強調した。 拉致問題を理由とした北朝鮮への経済制裁については「経済制裁は最終的な圧力だと認識している」として、慎重な姿勢を示した。


いつから安倍さんは小泉さんのコピーロボットになったのですかね?,何か凄いトーンダウンですね.各国に働きかけるってお題目のように言ってますが,当事国の覚悟は見せなくていいんですか?,最終的な圧力はいいですけど,前段階の圧力って何かありましたっけ?
逃げばかり打ってないでサッサと経済制裁しなさい!!,強い覚悟と怒りを見せない限り,金正日を動かすことは出来ません.



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