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アーカイブ: 2006/06/12
北朝鮮人権法案を再考する
- 2006.06.12 Monday
- Oversea
6/10付けの拙エントリー(また一つ懸念される合意が・・・)に”うさぎ”さんと云う方から大変丁寧なコメントを頂戴致しました.誤解の無いように最初に申し添えますが,うさぎさんは誰よりも金正日とその独裁政権を憎み,一刻も早く拉致被害者を奪還することを願っておられる方です.また,狭隘で中途半端な人道主義に酔っておられる方でもありません.
うさぎさんのコメントを以下に一部引用させていただきます(コメント全文はここでお読み下さい).
保守の人は、「北朝鮮人権法」についての誤解があるようですね。
民主党安(案の間違いかと:筆者改変)を丸呑みにしたものではありません。私は元々、ポーズに過ぎない自民党案には反対でした。民主党案のほうが良かったです。
なぜ、北朝鮮による公式の拉致被害者が一人もいない米国で全会一致で「北朝鮮人権法」が何年も前に成立したのか。そこから、考えてください。
北朝鮮人権法 http://dic.yahoo.co.jp/tribute/2004/11/20/1.html
これは、米国の北朝鮮への明確なる戦略であると共に普遍的権利である人権への取組です。だからこそ、自国民ではない日本人や韓国人拉致被害者へ言及しているのです。
北朝鮮からの脱北者が、日本へ大量難民として流入してくることを恐れている方もいるようですが、そういうことは現実問題として、この法案が作られたところで、起こり得ません。
現在、日本に入国している脱北者は帰国事業によって北朝鮮へわたった日本人妻の家族や元在日の人でしょう。元々、日本と縁のあった方もしくは日本国籍保持者だった人です。親の代からすべて北朝鮮で生まれて育った人は多分一人もいないでしょう。いわゆる北朝鮮人の脱北者はまず日本に来ない。
そういう人は、同じ民族で同じ言葉を話す韓国に行きます。現在の北朝鮮の状況で、一般人民が日本海を船で渡って日本へ大量難民として流入してくることは不可能です。
だからこそ、金さえ払えば出入りできる中朝国境から脱北してくるのです。なぜ、「北朝鮮人権法」が必要なのか。
それは、拉致被害者救出とあの国の民主化を促進する一助とするためです。拉致問題は北朝鮮の金正日独裁人権弾圧政権が存在し続ける限り、決して解決しないのです。
あの政権を北朝鮮人民が自らの手で倒して民主化をしてくれれば一番いいのですが、それは可能性としてかなり低い。政権が倒れるのを待っていたら、年老いた拉致被害者の両親も拉致被害者本人も亡くなっていく。
時間との闘いです。一刻の猶予も許されないのです
2ちゃんねるでは”大量の朝鮮人難民が押し寄せてくる”との可成り穿った煽り方をしてますね.また,筆者もそうですが,いわゆる保守派の方々もこの法案にネガティブな感覚をもっているようです.さらに,件の長島議員のブログも炎上したエントリーに対する釈明・反論エントリーを上げたところ,前にも増した再炎上をしているようです(全コメントが読めない状態です,凄まじい!).これにはマスコミから流れる情報が少ないというのも一因になっているのかもしれません.
筆者は上記のことを配慮して前エントリーを述べたつもりでしたが,改めて観てみると,結構間違った認識で書いていることに気付きました.誤解を受けてもしょうがないかな?とも思える文脈で書いていました.本エントリーでは,少し反省を込めてその辺りのことをうさぎさんのコメントを観ながら述べてみたいと思います.
その結果を端的に述べれば,自・公・民案に賛成します.ただし,幾つかの条件があります.それがない限り,反対に転じます.
最初に,”大量の朝鮮人難民が押し寄せてくる”はほぼ無いと言っていいでしょう.脱北者の脱出経路が殆ど中朝国境であること,それに介在するのが民間のNGOであることを考えれば,その地点から日本へ大量に流れてくることは極めて困難でしょう.日本へ直接,大量に流れるルートは海を船で渡ってくることですが,脱北者の置かれている状況からいって移民のように大きな船で来ることなど不可能です.(全くない無いとは言いませんが).体制が崩壊したら尚のこと,そのまま陸路で逃げることになるので,最初の流入先は中国か韓国になります.
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