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アーカイブ: 2006/05/10

少子化と女性の社会進出の因果関係は?


内閣府が先月の27日に発表した「少子化社会に関する国際意識調査」に基づいたものと思われるが,NIKKEI NET EYE 「プロの視点」で浅川氏(日経新聞編集委員)が以下のコラムを発表している(日経の関連記事はこちら).題して,「少子化対策・本命は男性の意識転換(5/10)」
政府の少子化社会対策推進会議が、少子化対策で近く新たな提案を打ち出すが、その専門委員会がまとめた原案によると、3歳児までを対象にした乳幼児手当を設けるなど相変わらず「お金」を柱にした方針になりそうだ。だが、出生率を回復させた先進国を見ても明らかなように、「お金」とともに重要なのは、国民の意識転換、とりわけ父親の子育てへの距離を縮めることにある。
スウェーデン映画との隔たり  現在、父親の育児を描いたスウェーデン映画「ダブルソフト――パパの子育て奮闘記」の上映が各地で始まっている。同国第2の都会、イエテボリを舞台に、タクシー運転手とテレビの天気予報アナウンサーの夫婦が、出産から2、3年間、育児に翻弄される姿をユーモラスにつづった映画だ。
 生後半年までテレビ局を休んで一人で保育に専念していた母親が、「明日からは交代よ」と、父親に育児をバトンタッチする。このシーン以降、同国での一般の人たちの育児観と国の保育システムが徐々に浮き彫りになる。
 運転手が3人しかいない小さなタクシー会社の社員である父親は、同僚への気兼ねから、なかなか育児休暇を申し出られない。「あれっ、スウェーデンでも同じじゃない」と日本の観客はこの辺までは、自らの状況に照らして納得。だが、タクシーの助手席に子どもを同乗させて仕事に出て行ったり、ついに、如何ともしがたく、育児休暇を願い出るところにくると、あまりの国柄の違いに考えさせられてしまう。
 育児休暇を言い出された経営者や同僚は、決して嫌な顔をしないで、喜んで受け入れる。同国の男性の育児休暇取得率は80%に達しており、女性の84%に匹敵するレベルだから、映画が特別ではない。これに対して、日本は0.55%にすぎない。あまりの開きである。
 主役の父親役の俳優も、オーディションの時には育児休暇中。「実際に毎日育児に追われている中、息子を連れてスタジオに現れた」と、来日した女性監督のマリア・エッセーンは話す。「子どもとの接し方がとても落ち付いていて安心できた」と、彼を選んで良かったとも言う。
 スウェーデンでは、生後13カ月までは親が面倒をみて、その後は保育園という考え方だ。13カ月のうち父親は育児休暇を1カ月取得することになっているが、政府はこれを2カ月に延ばそうと検討中だ。育児休暇は最長1年半、そのうち60日は父親に割り当てられていて、母親がこれを奪ってはならない。
   育児休暇中の賃金保障にも日本とは差がある。スウェーデンでは、1年半のうち390日は休暇前の賃金の80%、その後の90日は1日900円。日本では、休暇前賃金の40%しか1年間の育児休暇中に保障されない。 あと20年で追いつくだろうか  スウェーデンでこうした制度が整ったのは1974年。「30年もの長期間で積み上げてきたから」と、エッセーン監督は謙遜気味に話すが、80%と0.55%にはあまりに隔たりがあろう。日本で制度化されたのは92年だから13年もたつ。
 やっと、最近になって、企業側の理解がちょっぴり進み、育児への父親の参画を促す動きが出てきたがまだ道遠しだ。子育ての基本法と言われる母子健康法の考え方は、相変わらず、育児の主体を母親に限定したまま。同法で家庭に配られるのは「母子健康手帳」であって、「親子健康手帳」ではない。同法には、父親という文言すら一言もない。
 もう1つ、数字面から圧倒的に開きがあるのは婚外出産数だ。「できちゃった婚」という言葉に表れているように、「婚」が必要なのが日本社会。欧州各国とも、「婚」とは関係なく出産、育児が行われ、それに社会が違和感を感じていない。  制度や企業の枠にいかに日本社会が縛られているか、その強度が実は出生率の各国差となって示されていると言えるかもしれない。


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